写真のボケ表現ってどういう効果があるの?

写真技法


カメラを買って写真を撮りたいという人の中には「背景がボケた写真を撮りたい!」という人も多いのではないかと思います。

では実際に背景をぼかした写真というのはどういう効果があるのでしょうか?

この効果を意識しないのと意識して撮るのでは表現も違ってくると思いますし、自分が意図した写真を撮れるようにもなると思いますのでご紹介していきます。

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ボケの効果は大きく分けてこの2つ


僕が考えるボケを利用した写真の効果は次の2つです。

1.被写体(ピントを合わせた部分)を主役として浮き立たせ目立たせることができる
2.写真を見る人と写真の中の世界との距離感を演出できる

よく言われるのは1の被写体を浮き立たせてそこに視点が行くようにする効果ですが、僕は2番目の距離感の演出ということがとても重要だと考えています。

それでは1つずつ解説していきますね。

被写体を浮き立たせ目立たせる

PIXABAY


上の蝶々の写真ですが、背景がボケる事によって視線が自然と蝶々に集まるように感じませんか?

この写真の主役は蝶々だというのがはっきりと分かると思います。

このように主役をはっきりさせたい写真やポートレイト写真などに効果的だと思います。

また背景がボケると柔らかい印象になるのでそういった効果も狙うと良いですね。

逆に全体にピントが合っている(ように見える)写真はパンフォーカスといますが、風景写真や撮りたい被写体が複数入る場合に効果的であると言えます。

写真と写真を見る人との距離感を演出できる


もう1つの効果が距離感です

僕がこれを重要だと思っている理由は1番目の被写体を浮き立たせ目立たせる効果も、距離感を演出した結果だと考えているからです。

ボケと距離感を考える上で分かりやすいと思うのが、ビルなどの建物を遠くから撮った写真とそれをボカす加工をした写真との比較です。

早速見てみましょう。

PIXABAY

これはビルなどの街並みが高い建物から撮影されている写真ですね。
この写真の真ん中付近はそのままにして上部と下部をボカすとどうなるでしょうか。

なんだかミニチュア写真のように見えませんか?

周りをボカす事によってビルがとても小さいミニチュアのように感じられます。

人間の目は通常、近くのものにピントが合っているとそれ以外の距離のものはボケて見えます。

30cmの距離のリンゴにピントを合わせると1m先のバナナはボケて見えるのです。

しかし30m先の建物を見ている時には100m先の建物にもピントが合っています。
(※正確に言うと実際にはピントは合っていないが合っているように見えます)

人がピントが合っているものとボケているものが混在している写真を見ると、それが近くにあるように錯覚してしまうということです。

上のビルの写真で言うと、
周りがボケているので目の前にビルがあるように錯覚する
→ビルがものすごく小さくないと辻褄が合わない
→ものすごく小さなビルの写真だと脳が勝手に認識する
こういう状況が起きていると考えられます。

ボケを利用すると写真を見ている人と写真の中の世界との距離をコントロールすることができるということです。

面白いですね。


まとめ


ボケを利用した写真には大きく分けて
1.被写体を浮き立たせ目立たせる効果
2.写真を見る人と写真の中との距離をコントロールする効果

の2つがあるということが分かりました。

個人的に重要なのは2の距離感を意識することだと思います。

背景がボケている写真は背景がボケているから被写体が目立つというだけではなく、被写体を近くで見ているように感じられるから被写体が目立つのではないかというのが僕の考えです。

普段なんとなく写真を撮っているという方は、こういう事を考えながら撮ってみるのも面白いかもしれませんね。


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