こんにちはヨシヒコです。
外で写真を撮ってから帰ってパソコンで確認してみると、「あれ?写真が明るすぎて白くなってしまってる・・」なんてことはありませんか?
これは露出がオーバーしてしまっている(光の量が多すぎる)状態なのですが、こうなってしまうと後からの補正で復元することは非常に困難になります。
狙って背景を白飛びさせているのであれば良いのですが、きちんと残したい箇所が白飛びしてしまっては失敗写真になってしまいます。
今回は白飛びとはどんなものなのか、撮影時にどういうことに注意すればいいのかをまとめました。
そもそも「白飛び」って何?
そもそも白飛びって何なのでしょうか?
Canonさんのホームページにはこう書いてあります。
「デジタルカメラはダイナミックレンジが狭いので、肉眼では見えていても実際に撮影すると、ハイライト(明るい部分)の部分が白く抜けてしまうことがあります。この現象を「白飛び」現象といいます。」
出典「 CANON IMAGE GATEWAY -写真用語集-白飛び 」
なるほど。
よく分からないという方のため実際に白飛びした写真を見てみましょう。
右側の写真が白飛びした写真ですが、左側の白飛びしていない写真と並べると一目瞭然です。
右側の写真は明るい部分(この写真だと空と鯉のぼりの白い部分)が真っ白になってしまっています。
鯉のぼりと空との境界もよくわからない状態ですね。
こういった状態が「白飛び」した状態です。
白飛びが起きてしまう原因とは?
白飛びはどういう状況で起きてしまうのでしょうか?
カメラをマニュアル設定にして撮った場合は露出の設定(ISO感度、絞り、シャッタースピード)が適切でないと光の量が多すぎて白飛びしてしまう状況は想像がつきます。
しかしカメラの設定をオートもしくはセミオート(絞り優先、シャッタースピード優先など)で撮っている状態でも白飛びは起きてしまうことがあります。
オートで撮ればカメラが適切な明るさで撮ってくれるんじゃないの?と疑問に思うかもしれません。
しかしカメラが苦手な環境下での撮影だったり、撮る側の露出補正が間違ってしまうとオートで撮っても明るすぎる写真になってしまうのです。
カメラの撮影モードに関してはこちら
ではどういう状況で白飛びが起きやすいのかをみていきましょう。
明るいところと暗いところが両方構図の中に入っている場合
上の写真は暗いところと明るいところが同時に構図に入っている高速道路の写真です。
左側の写真は背景に明るさを合わせて撮っています。
そして右側は高速道路(暗い部分)に明るさを合わせて撮っています。
このように極端な明暗差がある構図で写真を撮る場合、暗い方に露出を合わせるとどうしても明るい箇所は白飛びしてしまいます。
Canonさんのホームページの白飛びの説明で「デジタルカメラはダイナミックレンジが狭い」と書いてありましたが、まさにそこがカメラの弱点でもあります。
カメラのダイナミックレンジとは認識できる一番暗い点と一番明るい点の幅のことです。
カメラはこの幅が狭いので暗い方に合わせようとすると明るい方の認識できる最大値が下がってしまいます。
人間の目であればこの程度の明暗差だったら暗い方も明るい方も同時に見えますよね。
人間の目って実はすごいんです。
カメラは人間の目で見ているような明暗差では撮れないことを認識しておきましょう。
黒色の被写体を撮影する場合
黒色の被写体を撮影するときも要注意です。
色が関係あるの!?と思うかもしれません。
オートでの撮影では関係あるんです。
なぜならカメラは撮影時には色を判別できていないからです。
カメラが撮影時に見ているのは明るさです。
黒い被写体を見るとカメラは「黒い」ではなく「暗い」と判断してしまいます。
そのため必要以上に露出を上げてしまうので、背景が白飛びしたりすることがあります。
逆に白い被写体だと「白い」ではなく「明るい」と判断して適正以上に露出を下げて暗く写してしまいます。
グレー(反射率が18%)の被写体でそのまま見た明るさで撮れるよう設計されてると言われていますね。
明るい屋外での撮影でカメラの液晶モニターが見にくい場合
快晴の時に外で写真を撮っているとカメラの液晶モニターが暗くて見えないって時ありますよね?
そういう時に陥りやすいのがこれです。
液晶モニターが暗いので撮った写真も暗く感じてしまってつい露出補正を+に上げていってしまいます。
しかし帰って確認してみると白飛びしている。。
これはカメラの要因というより撮る側の問題なんですが、こういう失敗をしてしまった経験がある人も多いんじゃないでしょうか。
白飛びを起こさないための対処法は?
それでは白飛びが起きないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?
それぞれの原因に対して対処法は変わってきます。
明暗差が大きい構図で撮影する場合の対処法
明暗差が大きい構図で撮影するのは非常に難しいのですが、対処するやり方はいくつかあります。
・明るい部分に露出を合わせて撮影し、後から編集ソフトで暗い部分を明るく補正する。
白飛びした部分は補正できないので暗く写った部分を後から補正するやり方です。
ただ暗い方も黒つぶれしてると補正不可です。
デメリットとしては暗い部分を明るく補正するとノイズが増えてしまうのでそこは注意ですね。
・明るい部分に露出を合わせて、暗い部分にストロボを当てて撮影する。
これは被写体によって出来る場合と出来ない場合があります。
例に挙げた高速道路の写真は無理ですよね。
暗い部分が比較的近くにあってそれほど大きくない場合は使える手段です。
・HDR(ハイダイナミックレンジ)で撮影する。
HDRは異なる露出で複数枚撮影して合成する方法です。
カメラにHDR機能があればその場で合成、なければ後から編集ソフトで合成してもOKです。
暗い方にも明るい方にも露出を合わせて撮影して両者のいいとこ取りをする感じです。
ただ複数枚を同じ構図で撮らないといけないので三脚を使用して撮りましょう。
黒色の被写体を撮影する場合の対処法
黒い被写体を撮影するときの対処法は慣れしかありません。
被写体が黒いものだった場合、オート・セミオートだとカメラが明るく撮ってしまうだろうと予測してあらかじめ露出補正を下げておきます。
逆に白い被写体の時は暗く撮れることを予想して露出補正を上げておきます。
ただスナップ写真を撮る時など様々な色が混ざっていてなかなか判断が難しいときもあります。
そのため写真を撮ったらすぐにカメラのモニターで確認する癖をつけておきましょう。
次の項目で解説するヒストグラムも同時に活用するとなお良しです!
屋外でカメラの液晶モニターが見にくい場合の対処法
屋外で晴れた日などカメラの液晶モニターが見にくい時は、ヒストグラムを活用しましょう。
ヒストグラムとは明るさの分布を表すグラフのことです。
写真データの中に暗い画素と明るい画素がどのくらいあるのかが一目でわかります。
ヒストグラムに関しては詳しく解説した記事があるのでこちらもどうぞ
下にある図がそのヒストグラムです。
白飛びを防ぐためにこの図のどこを見ればいいかというと、右側に張り付いていないかどうかです。
下の写真とヒストグラムを見てください。
階段部分などが白飛びしてしまった写真です。
ヒストグラムを見ると、グラフが右端に張り付いているのがわかります。
逆に左側に張り付くと黒つぶれになります。
白飛びにも黒つぶれにもならないようなヒストグラムになるのが理想です。
左側にも右側にもグラフが張り付かないよう露出補正で調整しましょう。
カメラで設定すると、写真を液晶モニターに表示させた時にヒストグラムも同時に表示できます。
明るい屋外で撮影する時はぜひ設定しておきましょう。
まとめ
今回の記事のまとめです。
・白飛びとは?
ハイライト(明るい部分)の部分が白く抜けてしまうこと
・白飛びする状況と原因は?
明るいところと暗いところが混在する構図の撮影時
→カメラのダイナミックレンジが狭く暗い方に合わせると明るい方を認識しきれないため
黒い被写体を撮影するとき
→カメラが「黒い」を「暗い」と認識して明るく写そうとしてしまうため
外で撮影時にカメラのモニターが見にくいとき
→撮った写真を暗いモニターで見ると暗い写真に見えて撮影者が露出を上げてしまうため
・白飛びに対する対処法は?
明るいところと暗いところが混在する構図の撮影時
→明るい方に露出を合わせて、後から編集ソフトで暗い方を明るく補正する
明るい方に露出を合わせて、暗い方にはストロボを当てる
HDR(ハイダイナミックレンジ)合成をする
黒い被写体を撮影するとき
→黒い色の被写体の場合は露出補正を下げておく。モニターで見ながら補正する。
外で撮影時にカメラのモニターが見にくいとき
→カメラのモニターにヒストグラムを表示させ、確認しながら撮影する
上記のような点に注意しながら撮影すれば白飛びの失敗も減らせますので活用しましょう!
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