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ストロボで写真の半分が暗くなる原因|同調速度と直し方

写真技法
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こんにちは、ヨシヒコです。

ストロボを使って撮ったら、「写真の半分が真っ黒になってるぞ・・」「下の方に黒い帯が入ってしまった」なんてことはありませんか?

シャッタースピードを速くしたときに写真の端が黒くなるなら、まず確認したいのがストロボの同調速度です。 通常の発光では、カメラとストロボが同調できる速さに上限があります。

この記事では、僕がEOS 6Dで撮影した作例と、シャッター幕の動きを描いた図を使って、なぜ一部が暗くなるのかを説明します。あわせて、撮影中に確認する順番と、ミラーレスカメラで気をつけたい設定も整理します。

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まずはシャッタースピードと同調速度を確認

ストロボの光量を上げる前に、カメラの説明書で同調速度を確認してください。この記事では、通常のストロボ発光で画面全体に光を届けられる、最も速いシャッタースピードを「同調速度」と呼びます。

たとえば、今回の作例で使ったEOS 6Dの同調速度は1/180秒です。1/200秒や1/250秒は、それよりも速い設定になります。分母の数字が大きいほど速いので、ここは間違えやすいですね。キヤノンのEOS 6D仕様

黒い帯が入ったときは、次の順番で確認してみましょう。

  1. 使っているシャッター方式と、同調速度の上限を確認する。 ミラーレスでは、メカシャッター・電子先幕・電子シャッターで条件が違う場合があります。
  2. 通常発光で、上限より遅いシャッタースピードにする。 EOS 6Dなら、まず1/125秒などに下げて帯が消えるか確認します。1/125秒をすべての機種に共通する正解とは考えないでください。
  3. まだ帯が残るなら、さらに遅くして撮り比べる。 外部ストロボや無線トリガーも使っている場合は、その組み合わせの対応条件・設定を確認します。

シャッタースピードを遅くすると、室内照明や自然光の写り方、手ブレ・被写体ブレも変わります。帯が消えたかを見たあとで、写真全体の明るさを整えていきましょう。

EOS 6Dの実写:速くすると黒い部分が広がる

まずは下の写真を見てみてください。EOS 6Dと外部ストロボで植物を撮影した作例です。

絞りはF9に固定し、シャッタースピードとISO感度を変えています。ISO感度も変わっているので、写真全体の明るさを厳密に比べるのではなく、右端の黒い部分がどう変わるかに注目してください。

EOS 6Dのストロボ作例。左は1/125秒・ISO100、右は1/200秒・ISO160、どちらもF9
左:1/125秒・ISO100/右:1/200秒・ISO160。絞りはF9。画像を押すと拡大できます。

左側の写真は全体が写っていますが、右側の写真では右端がうっすら暗くなっています。1/200秒は、EOS 6Dの同調速度1/180秒を超えています。

ここからさらにシャッタースピードを上げていきます。

1/250秒・ISO200と1/320秒・ISO250のストロボ作例。速度を上げると右側の黒い部分が広がっている
左:1/250秒・ISO200/右:1/320秒・ISO250。絞りはF9。

1/250秒、1/320秒と速くしていくと、黒くなる面積が増えているのが分かりますね。

1/640秒・ISO400と1/1250秒・ISO800のストロボ作例。写真の大部分が黒くなっている
左:1/640秒・ISO400/右:1/1250秒・ISO800。絞りはF9。

1/640秒、1/1250秒では、ほとんど真っ黒な写真になってしまいました。ストロボが光っていないわけではなく、光が届くはずのセンサーの一部が、発光時にシャッター幕で隠れてしまうためです。

この作例は、スタジオでストロボ光のみを使って撮影しています。自然光や室内照明も写る環境では、ストロボ光が当たらなかった部分にも周囲の光が写るため、真っ黒ではなく「一部だけ暗い」という見え方になることもあります。

なお、暗くなる位置は必ず下側とは限りません。この作例のように右側に出る場合もあり、カメラの向きやシャッター・発光の条件によって変わります。

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ストロボ同調速度とは?シャッターの図で考える

ここでは、作例のEOS 6Dのように、センサーの前を2枚の幕が動くフォーカルプレーンシャッターで考えます。

先に開く幕を「先幕」、あとから閉じる幕を「後幕」と呼びます。シャッタースピードを速くするときは、幕をただ速く動かすのではなく、先幕が動き始めてから後幕が動き始めるまでの間隔を短くします。

遅いシャッターでは、センサー全体が見える時間がある

低速時のシャッターの動き。先幕が開いたあと、センサー全体が露出してから後幕が閉じる5段階の図
低速シャッタースピード時の動作。左から右へ進みます。白い部分が光を受けられる範囲です。

まず先幕が開き、少し間を置いて後幕が閉じます。真ん中のコマでは、センサー全体が見えていますね。この時間にストロボが発光すれば、画面全体に光を届けられます。

速いシャッターでは、細い隙間が移動する

高速時のシャッターの動き。先幕が開ききる前に後幕が閉じ始め、細い隙間が移動する5段階の図
高速シャッタースピード時の動作。先幕と後幕の間の隙間が移動します。図は動きを簡略化したものです。

シャッタースピードを上げていくと、先幕が開ききる前に後幕が閉じ始めます。センサーは、細い隙間から順番に光を受けることになります。

自然光のように光が当たり続けていれば、隙間が通った部分を順番に写せます。一方、通常のストロボは短い時間だけ発光するため、発光している間に幕で隠れている部分には光が届きません。それが黒い帯や、一部が暗い写真になる理由です。

この仕組みでは、センサー全体が開く時間を確保して通常のストロボ発光を合わせられる、最も速いシャッタースピードが同調速度になります。

ただし、同調速度は機種やシャッター方式で異なります。「ストロボなら1/250秒まで」と一律には決められません。電子シャッターなどを使う場合は、次の設定確認も必要です。

同調速度より遅くしても直らないときの確認

電子シャッター・サイレント撮影の条件を見る

ミラーレスカメラでは、シャッター方式を変えるとストロボの使用可否や同調速度が変わる場合があります。

たとえばEOS R6 Mark IIでは、同調速度がメカシャッターで1/200秒、電子先幕で1/250秒です。同じカメラでも設定によって違います。EOS R6 Mark IIのストロボ設定

電子シャッターだから必ずストロボが使えない、というわけでもありません。Nikon Z6IIIの電子シャッターでは、同調速度が1/60秒になります。Z6IIIのフラッシュ撮影同調速度

まず自分のカメラの説明書で、現在のシャッター方式に対応した条件を確認しましょう。対応する機種ならメカシャッターで撮り比べると、設定による違いを確認しやすくなります。

ストロボや無線トリガーも含めて確認する

カメラに表示される上限だけでなく、接続しているストロボや無線トリガーの対応条件も確認します。特にスタジオ用ストロボなどを使う場合は、カメラ本体の同調速度より遅くする必要があることもあります。EOS 6Dの説明書でも、大型ストロボは閃光時間の違いがあるため、遅い速度で同調を確認するよう案内されています。

設定を一度に全部変えず、シャッタースピードを一段ずつ遅くして、帯の幅が変わるかを見てください。無線トリガーを使っているなら、対応機種・発光モード・接続状態も見直しましょう。

また、TTLは発光量を自動で調整する機能で、同調速度の制限をなくす機能ではありません。 対応するカメラとストロボでは速度が自動で制限されたり、ハイスピードシンクロに切り替わったりしますが、「TTLならどんな組み合わせでも黒い帯が出ない」とは考えない方がよいです。

黒い帯ではなく、レンズの影や光量不足ではないか

下の方が暗い写真でも、原因が同調速度とは限りません。

内蔵ストロボの光がレンズやフードに遮られると、画面の下側に影が出ることがあります。キヤノンのEOS R10の説明でも、レンズフードを外すことや、大きなレンズで下側が暗くなる場合の外部ストロボ使用が案内されています。EOS R10の内蔵ストロボ撮影

写真全体が暗い場合は、ストロボの充電完了、被写体までの距離、発光量、絞り・ISO感度なども確認します。シャッタースピードを遅くしても同じ形の影が残るなら、光を遮る物や発光位置も見てみましょう。

速いシャッターを使いたいならハイスピードシンクロ

日中の屋外で背景をぼかしたいなど、同調速度より速いシャッターを使いたい場面もあります。そこで使えるのが、対応機材のハイスピードシンクロ(HSS/ニコンではオートFPハイスピードシンクロ)です。

通常の一度の発光とは異なり、短い間隔で繰り返し発光して、シャッターの隙間が移動している間も光を届けます。ソニーのフラッシュモード解説でも、この仕組みが説明されています。カメラだけでなく、ストロボ、無線で使う場合はトリガーも含めた対応確認と設定が必要です。

ただし、速いシャッターを使える代わりに、光が届く距離は短くなります。キヤノンのスピードライトEL-1(Ver.2)の説明書でも、速度を上げるほどガイドナンバーが下がることと、繰り返し撮影時の発光制限が案内されています。EL-1(Ver.2)詳細ガイド・57〜58ページ

HSSをオンにすれば、遠くの被写体までいつもと同じ明るさで撮れるわけではありません。ストロボの表示する距離の目安や充電状態を見ながら、被写体との距離・絞り・ISO感度を調整してみてください。

後幕シンクロに変えれば直る?

先幕シンクロは露光の開始側、後幕シンクロは露光が終わる直前にストロボを発光させる方法です。後幕シンクロは、低速シャッターで動く光の軌跡を写すときなどに使います。

発光するタイミングを後ろにずらす設定なので、通常発光の同調速度を超えてよいという意味ではありません。 黒い帯の対策として、先幕から後幕へ切り替えるだけでは解決しません。EL-1(Ver.2)詳細ガイド・59ページ

まとめ:帯が出たら、光量より先にシャッタースピードを見る

ストロボ撮影で写真の半分や端が暗くなる場合は、まず同調速度を確認してみましょう。EOS 6Dの作例では、シャッタースピードを速くするほど黒い部分が広がっていました。

  • 通常発光では、使う機材・シャッター方式の同調速度に合わせる。
  • 黒い帯が出たら、上限より遅い速度で撮り比べる。
  • 直らなければ、トリガーの対応条件や、レンズ・フードの影も確認する。
  • 高速シャッターが必要なら、HSSの対応と光量・距離の制約を確認する。

いきなりストロボの光量を上げたり、機材の故障だと決めたりする前に、一つずつ設定を変えて撮り比べてみてください。写真のどの部分が変わったかを見ると、原因を切り分けやすくなると思います。

ではまた。

出典・確認情報

作例のカメラはEOS 6Dです。各写真の絞り・シャッタースピード・ISO感度は画像内とキャプションに記載しています。同調速度や対応機能は機種・設定によって異なるため、使用するカメラとストロボの説明書も確認してください。以下の公式情報は2026年9月13日に確認しています。