こんにちは、ヨシヒコです。
久々の更新になってしまったのですが、今日は光と色について僕が普段考えていることを書きたいと思います。
写真を撮る時に光がなければ撮ることができないのは当たり前の話なんですが、色に関しても光なしでは見ることができません。
物体に光が当たった時には吸収される光と反射される光があり、色として見えているのは反射された光の性質が関係しています。
白い光には全ての色(全ての波長)の光が含まれていますが、赤い物体に光が当たると赤の波長の光を反射し残り波長の光を吸収しています。
また白い物体に光が当たるとほとんどの光を反射し、黒い物体に光が当たるとほとんどの光を吸収します。
晴れた日に黒いシャツを着ていると熱くなるのは吸収した光が熱エネルギーになっているからですね。
色の本質とは
そこで僕が思うことは、普段人間の目に見えている色というのはその物体の本質とは反対のものなのではないかということです。
その物体が自分自身に取り入れなかった色を見ているわけですから。
人間に例えるなら、Aさんはいつもりんごとぶどうとメロンを差し出されていますが、りんごは食べずにぶどうとメロンばかり食べています。
当然毎回りんごが残されるわけです。
そして周りの人からはAさんはりんごの人というイメージになってしまっている。
実際にAさんの糧となっているのはぶどうとメロンなのに。
人が物体の色をみているときにそういう状態になってしまっているのではないかと感じるのです。
実際には吸収された光は熱エネルギーになっているので、吸収した光がその物体を作る要素になっているわけではないのですが(植物などは光合成で利用したりはしています)、イメージとしては反射した光よりは吸収した光のほうがその物体を表現する色としてはしっくりくる気がします。
人に対しても目に見えている印象よりも目に見えない内面のほうをいかに見れるかが重要だと思うわけです。
光の科学と歴史
ここまでぼんやりとした話になってしまったのですが、光と色に関して科学的な話も書いておこうと思います。
まずは光に関する研究の歴史について。
17世紀にオランダの数学者・物理学者のクリスティアーン・ホイヘンス(1629~1695)は著書『光についての論考』の中で「光の正体は波である」とする「光の波動説」を提唱しました。
またアイザック・ニュートン(1642-1727)は著書『プリンキピア』や『光学』のなかで「光の本質は粒子である」とする「光の粒子説」を提唱します。
以後200年に渡って光とは「波」なのか「粒子」なのか論争が続くこととなります。
1905年にアルベルト・アインシュタインが「光は波でもあり粒子でもある」という光量子仮説を提唱し、現在でも光は「波」と「粒子」両方の性質を持つと考えられています。
光と色の関係
では光と色の関係はどういうものなのか。
光の粒子の性質(光子の数)は光の強さ(明るさ)に関係しています。
そして色に関連してくるのは光の持つ「波」の性質です。
光は電磁波の一種なのですが、電磁波のなかで人間の目で認識できる波長の範囲の電磁波が光となります。
そしてその光の波長の違いが色(色相)の違いなのです。
人間が見ることができる波長は380~780nm(ナノメートル)と言われています。
上の図で可視光線の中で一番波長が短い紫から波長が長い赤までの間を認識することができます。
紫よりも波長が短くなると紫外線、赤よりも波長が長くなると赤外線となり人の目では見ることができません。
目は色をどう認識しているか
それぞれの色は光の波長によって決まっているということが分かりました。
では人間の目は実際にどうやって色を認識しているのでしょうか?
電磁波(光)が目に入ると網膜に当たりそこで電気信号に変換されます。
上の目の図を見ると右側の光が当たる箇所が網膜ですね。
目の仕組みをカメラに例えると虹彩は光の量を調整する絞り、像を結ぶ水晶体がレンズ、そして網膜がフィルム(またはイメージセンサー)となります。
網膜は10層くらいの層から成っているのですが、その中に視細胞の層があります。
視細胞まで到達した光は電気信号に変換され脳に送られます。
光を電気信号に変換する視細胞は桿体(かんたい)細胞と錐体(すいたい)細胞があります。
桿体細胞は明度を認識しており、錐体細胞によって色を認識しています。
錐体細胞は3種類ありそれぞれ赤(R)を認識する細胞、緑(G)を認識する細胞、青(B)を認識する細胞という役割がありRGB信号へと変換しています。
赤(R)緑(G)青(B)のそれぞれの波長の光の量の組み合わせで様々な色として認識しているわけですね。
それぞれの錐体細胞が認識する波長は、例えば同じ赤を認識する錐体細胞でも人によって認識する波長に微妙にずれがあるため個人によって色の見え方は微妙に異なっています。
3種類の錐体細胞を持っていると約100万色を認識できると言われていますが、中には4種類の錐体細胞を持つ人も存在しており、理論上は1億色を認識できるとされています。
また、動物によって2種類、3種類、4種類など錐体細胞の数は様々で色の見え方も動物によって様々です。(鳥類などは紫外線も認識できているといわれています)
まとめ
今回は光と色に関して普段思っていることや、科学的な知識などをまとめました。
写真を撮っているとこういったたくさんの事に興味がわいてきて考えたり調べてみたり勉強したりするのも醍醐味のひとつですね。
今後もそういった事は大事にしていきたいと思います。
それでは。
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