写真を撮る時に構図の外を意識する話

雑記ブログ


こんにちは、ヨシヒコです。

写真を撮るときに構図の話というのはよく語られることの1つですよね。

「日の丸構図」「二分割法」「三分割法」「対角線構図」「黄金分割」・・・などなど挙げていけばキリがありません。

しかし個人的には撮影する際に上記の構図論を考えてからその通りに撮るということは基本的にしません。

後から写真を確認して初めて「これは黄金比になってるな」とか「三分割構図になってる」と分かることはあります。

撮影時には、「どこまでフレームに入れてどこを外すのか」というのを意識するようにしています。

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写真は引き算、絵は足し算


写真は自分が見ている目の前の出来事や風景の中から残すものを選択している行為です。

逆に言えば「写真に撮った以外のものを撮らないという選択をしている」とも言えます。


よく僕は写真と絵の違いってなんだろう?と考える事があります。

写真は無限にある景色の中から残さないものを選択し引き算をした結果が残る。

絵は何もないところから自分で描いて足し算をしている。

こういう風に考えるようになりました。


写真を撮影をする際には構図の技法に関しては一切考えず、自分が身を置いているこの一瞬一瞬の中で何を残し、また何を残さずに引き算するのかを考えています。

引き算の基準:引いたものが想像できるか?


じゃあどこまで引き算するのか?という事に対しては個人的な基準があります。

それは引き算の結果(撮った写真)から引いたものが想像できるか?ということです。

例えば下の写真を見てみてください。

宮島で撮った鹿の写真です。

これは鹿と鳥居を同時に収めたくて撮ったんですが、鹿の首から下は構図内に納めずに引き算しています。

なぜか?

鹿はみんな見た事があるので鹿の体の大きさや形・色などはなんとなく想像できるからです。

あと海や山や海岸線などもなんとなくこのまま続いているんじゃないかと想像できますよね。

上の写真を見た人は、写真の中に写っている景色から無意識のうちに構図の外の世界も想像しているはずです。

こんな感じですかね。↓


写真には目に見えている構図の中の世界と、見た人が想像する構図の外の世界があります。

構図の外側の世界は、写真を見た人それぞれ少しづつ違う想像をする世界です。

写真の構図によって構図の中の世界の方が大きくなったり、構図の外の世界の方が大きくなったりと変わってきます。

見る人の想像力によっても変わります。

「ここを構図から外して撮ったら写真を見た人はどんな想像をするだろうか」、「ぎりぎりここまで構図に入れればこれを想像してくれるんじゃないか」、などと考えながら撮影したりするのも写真の醍醐味じゃないかなと思っています。

僕はこの写真が外側に広がっていく感覚が好きで、写真の無限の可能性を感じるような気がしています。

「日の丸構図」は中の世界で完結する写真


色々な構図がある中で、構図の外の世界を想像するのが難しい写真があります。

それは「日の丸構図」の写真です。

下の果物は日の丸構図で撮った写真ですが、写真の外側の世界って想像しづらいですよね。


果物が全て構図の中に収まっているので、その延長線として外側を想像する事ができません。

これが日の丸構図が面白くないと言われる理由の一つではないかと僕は考えています。

しかし商品写真や物の全体像を見せたいような写真の場合は日の丸構図は非常に優れているので、何のための写真なのか?という事で変わってくるでしょう。

個人的には仕事の撮影の時には日の丸構図も多用します。

まとめ


今回の記事は写真の構図に関して僕が普段考えていることを書いたものなので、一般的に言われている事とはズレているかもしれません。

しかし写真を撮る時や見る時に写真の構図の中の世界の事しか語られていない気がして、構図の外の世界に関してももっと考えていいんじゃないか?という気がしていました。


写真の撮り方や見方、楽しみ方は人それぞれです。

こんな捉え方をしてる人もいるよ、という程度の参考にでもなれば嬉しいなと思います。


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