こんにちは、ヨシヒコです。
カメラを買って写真を撮りたいという人の中には、「背景がボケた写真を撮りたい!」という人も多いのではないかと思います。反対に、風景や集合写真で「手前から奥まで全部くっきり写したい」と思うこともありますよね。
手前から奥までピントが合って見える写真をパンフォーカスといいます。背景がボケた写真との違いは、ピントが合って見える範囲の広さです。この範囲は、絞り・焦点距離・被写体との距離・背景との距離で変えることができます。
この記事では、パンフォーカスとボケの違い、それぞれの撮り方、僕の使い分け、そしてボケが写真にどういう効果を与えるのかを紹介します。
パンフォーカスとボケの違い
ピントを合わせた部分の前後で、ピントが合っているように見える範囲のことを被写界深度といいます。
- 被写界深度が浅い(範囲が狭い):ピントを合わせたところ以外がボケる
- 被写界深度が深い(範囲が広い):手前から奥までピントが合って見える。これがパンフォーカス
ニコンの解説では、被写界深度は絞り値(F値)、レンズの焦点距離、撮影距離(被写体とカメラの間の距離)で決まると説明されています。さらに、背景をどれだけぼかせるかは、被写体と背景の距離でも変わります(ソニーの解説)。

同じ場所から絞りだけを変えて比べると、こんなふうに違います。

背景をぼかす撮り方
背景をぼかしたいときは、次のようにします。
- 絞りを開く(F値を小さくする):絞りについては絞り(F値)の記事で詳しく書いています
- 望遠にする:焦点距離が長いほどボケやすくなります。焦点距離については焦点距離とはで紹介しています
- 被写体に近づく
- 被写体と背景の距離を離す:背景が被写体のすぐ後ろにあると、あまりボケません
僕が背景をぼかしたいときは、背景との距離を取ったり、望遠側にして撮ったりして、ボケるようにしています。
パンフォーカスにする撮り方
反対に、手前から奥までピントを合わせたいときは、次のようにします。
- 絞りを絞る(F値を大きくする)
- 広角にする
- 被写体から離れる
キヤノンの解説では、ズームレンズの一番広く写る側(たとえば18mm)を選び、F16程度に絞って撮ると、近景から遠景までピントの合ったパンフォーカスの写真が撮れると紹介されています。
僕がパンフォーカスを意識して撮るのは、背景をきちんと見せたいときと、集合写真を撮るときです。集合写真の並べ方は人物写真の構図のコツで紹介しています。
ボケの効果は大きく分けてこの2つ
ここからは、背景をぼかした写真というのは、どういう効果があるのかを考えてみます。この効果を意識しないのと意識して撮るのでは表現も違ってくると思いますし、自分が意図した写真を撮れるようにもなると思います。
僕が考えるボケを利用した写真の効果は、次の2つです。
- 被写体(ピントを合わせた部分)を主役として浮き立たせ、目立たせることができる
- 写真を見る人と、写真の中の世界との距離感を演出できる
よく言われるのは1の、被写体を浮き立たせてそこに視点が行くようにする効果ですが、僕は2番目の距離感の演出ということがとても重要だと考えています。それでは1つずつ解説していきますね。
被写体を浮き立たせ目立たせる

上の蝶々の写真ですが、背景がボケる事によって、視線が自然と蝶々に集まるように感じませんか?この写真の主役は蝶々だというのが、はっきりと分かると思います。
このように、主役をはっきりさせたい写真やポートレイト写真などに効果的だと思います。また、背景がボケると柔らかい印象になるので、そういった効果も狙うと良いですね。
逆に全体にピントが合っている(ように見える)写真がパンフォーカスで、風景写真や、撮りたい被写体が複数入る場合に効果的です。
写真と写真を見る人との距離感を演出できる
もう1つの効果が距離感です。僕がこれを重要だと思っている理由は、1番目の被写体を浮き立たせ目立たせる効果も、距離感を演出した結果だと考えているからです。
ボケと距離感を考える上で分かりやすいと思うのが、ビルなどの建物を遠くから撮った写真と、それをボカす加工をした写真との比較です。早速見てみましょう。

これは、ビルなどの街並みが高い建物から撮影されている写真ですね。この写真の真ん中付近はそのままにして、上部と下部をボカすとどうなるでしょうか。

なんだかミニチュア写真のように見えませんか?周りをボカす事によって、ビルがとても小さいミニチュアのように感じられます。
人間の目は通常、近くのものにピントが合っていると、それ以外の距離のものはボケて見えます。30cmの距離のリンゴにピントを合わせると、1m先のバナナはボケて見えるのです。しかし30m先の建物を見ている時には、100m先の建物にもピントが合っています(正確に言うと、実際にはピントは合っていないが、合っているように見えます)。
人がピントが合っているものとボケているものが混在している写真を見ると、それが近くにあるように錯覚してしまうということです。上のビルの写真で言うと、
- 周りがボケているので、目の前にビルがあるように錯覚する
- ビルがものすごく小さくないと辻褄が合わない
- ものすごく小さなビルの写真だと、脳が勝手に認識する
こういう状況が起きていると考えられます。ボケを利用すると、写真を見ている人と写真の中の世界との距離をコントロールすることができるということです。面白いですね。
まとめ
- パンフォーカスは、手前から奥までピントが合って見える写真。ボケとの違いは、ピントが合って見える範囲(被写界深度)の広さ
- 背景をぼかすには、絞りを開く・望遠にする・被写体に近づく・被写体と背景の距離を離す
- パンフォーカスにするには、絞りを絞る・広角にする・被写体から離れる
- 僕は、背景をぼかしたいときは背景との距離を取ったり望遠側で撮ったりし、背景をきちんと見せたいときや集合写真ではパンフォーカスを意識している
- ボケには、被写体を浮き立たせる効果と、写真を見る人との距離感を演出する効果がある
背景がボケている写真は、背景がボケているから被写体が目立つというだけではなく、被写体を近くで見ているように感じられるから被写体が目立つ、というのが僕の考えです。普段なんとなく写真を撮っているという方は、こういう事を考えながら撮ってみるのも面白いかもしれませんね。参考になれば嬉しいです。
出典・確認情報
2026年10月8日に、次の公式情報を確認しました。
蝶と街並みの写真はPixabayのものです。ボケとパンフォーカスの使い分けは、僕の経験です(2026年10月)。

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